top of page
検索
執筆者の写真K (管理人)

七転び八起き

更新日:2019年5月4日



気持ちに余裕が持てない時は、

何か些細なことがきっかけでネガティブ思考が始まります。

私の場合は、ふと気をぬくと勝手に脳が動いて、

気が付いたらスタート地点からだいぶ遠くで彷徨っている事がよくあるので、

最近は、これ以上やったら逆に意味がないなという一歩手前で休むようにしています。

それでもやはり、休めない予定や仕事が重なると逃げられないので頑張るのですが、

案の定、それらが終わると体がピクリとも動かないくらいぐったりとして何も考えられなくなるのです。

疲れたという感情だけなら良いのですが、無気力になる事が

何よりも人間にとって怖いものなのではないでしょうか。


どれだけ好成績を残した偉人や芸能人ですら、自ら命を絶つ事があり、

またそれは珍しくはありません。

生きてさえいればいいという言葉に何かの希望が見つけられない時、

寧ろその言葉が重くのしかかったりするのです。


いつになったら、何かを必死に追いかけて生きずにすむのか。

人の幸せを心の底から喜べるのか。

毎日幸せだと思える日常が来るのかなど、

現実にはあり得ないのに、ついそんな日々を求めてしまいます。


そんな時、今まではどん底まで考える事にしていました。

部屋の電気を消して、一日中一人ベッドの上で不安と向き合う。

そうすると、悩む事に疲れて、暗い部屋から出たくなってもういいやと解決するのです。


だけど、日本を離れてからというものちょっとずつ心情の変化を感じていて

"悩み方"に対する解決法にも少し思考を変えてみようと思いました。


昨晩、3日ぶりに帰ってきた大家さんと帰宅時にアパートのエレベーターでばったり会いました。

大きなアパートなので、本当に偶然で久しぶりの再会もあって、

そのままいつも行くカフェに行きました。



彼は、劇場のオーナーをしていてパリだけでなく至る所で仕事を行なっています。

色々と仕事の様子を聞いていると、7月に開催されるアビニョンの演劇祭の話題になりました。

毎年アビニョンでは、夏になると大きなお祭りが開催されるらしく、

その期間は街全体がお祭りムードになるようです。




美術や音楽に感銘を受けてフランスに住みたいと思ったワケではないので、

パリに住んでも、美術館には一つも行っていないしオペラで何かを観ようだなんて思ってもいませんでした。

単純に、私にとってそれは贅沢なコトだからです。

朝から晩まで働いて、ご褒美に見るような世界を今回の滞在では避けていました。


ただ、ミュージカルや舞台を見るのは好きです。

映画ももちろん好きですが、それ以上に物語の世界に入り込める演劇を見るのは心が落ち着ける時間です。

感受性が敏感な私の場合、感情が次から次へと流れていく演劇は、

深く深く考えずに、その上ダイナミックでドラマチックに物語が展開していく為、気持ちが大きく揺れ動き

思いきりそのファンタジーに浸れます。



実生活では、例えば恋愛なら、どっぷり浸ったとしても現実の生活と折り合いをつけていかないとならないし、

相手の気持ちがシナリオのように起承転結で動いてくれるわけでもないから

少し客観的に自分を見る必要があります。

また、平凡な生活の中に起こるニュースに刺激を受けますが、感情移入すると心配事が大きく膨らみすぎてしまうので(見ず知らずの他人のことですら)そもそも目を通す事に制御をかけています。

自分の身に起こる事は、なるべく苦労より幸福を多く感じたいものです。


つまり、本来の感情にかなりの自制をかけて生きている私にとっては、

演劇を観る事は楽しみの一つとして持ってもいい趣味なのだと感じました。

(演劇やコンサートは敷居が高くて私なんかが…と思ってしまう為、このような書き方をしてしまいます。)


金銭と時間的にやりたい事全てにトライできていませんが、彼の話を聞いていて、

せっかくフランスにいるのだから

チャンスを作って少しずつ見に行こうと思いました。


これが、一つ今までと思考を変えて考えた解決法です。

深く深く考えてしまうのならどっぷりと楽しい事に浸ってみようというわけです。


自分の好きなモノを知って、それらで自らの周りを囲む。

出会った時にリストに書き出していくのがいいのかなと思います。

好きなモノっていきなり聞かれてもなんだっけ?と好きなものって理由がない事が多いので

ふと言われると出てこなかったりします。

本能的に好きだと思うものは、出会った時に少しずつメモしていきそれが溜まっていくと

見返した時に文字を見ただけでほっとします。

例えば私なら、

・自然光

・毛布

・好きな香り

・フランス語

・ハスキーな歌声

・理解力のある人

・朝ごはんの準備

・カリグラフィー

・演劇

・フランスの田舎を走るローカルバスの感じ

・メトロが暗くなる時



私には誇れるものが一つもないと思う時があります。

例えば、名門校に通っている人や長い年月を芸術に生きている人、立派に週5日間仕事に行っている人に出会った時に

どうしてもまだ超えなければいけない高い壁があると強く思ってしまうのです。


ただ、フランス語を勉強し始めて、フランスで時間を過ごすようになってから

漠然とした不安は消えてきたかなと思います。

もちろん悩みは抱えるけれど、その悩みは明確であり、くだらない事なら考えてるのが馬鹿馬鹿しくなって途中でやめます。

パリは、以前住んだリヨンよりも目に見えて格差がはっきりとしていて、日本人のコミュニティも多いし、

田舎でのんびりと育った私には、少し心が疲れたなんて思ってしまう事もありますが、

一人一人が自分のことを見ていて他人の様子をいちいち気にしていないので

私もあまり他人を気にせず自分に素直になれるので

自身に対して新たな発見に気がつけます。


今日は、一週間分の心を癒す時間にして、

甘いお菓子を食べて自分を責めない事にします。

気持ちのナイーブさを責めずに優しく撫でてあげて、心地よい空間に自分を持って行き

とにかく気持ちを楽にします。


そういえば、今日適当に作ったパンケーキが美味しかった。

フランスの食品はそれ自体の品質が高いから

なんでもそこそこ美味しく作れたりします。

日本食以外は。




閲覧数:11回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Comentários


bottom of page