今年の夏休み・バカンスバカンス!の続きです。
アヴィニョンから帰ってきた後は、パリ郊外の街で過ごしておりました。
Lyonでの留学以来お世話になっているホストファミリーとの休日です。
今年は、二人の孫達を連れての帰省だったようで、こちらは3年ぶりの再会となりました。
4歳となった彼女達は私なんかよりも遥かにフランス語を上手に話していて同じ年数?勉強?しているにも関わらず見事に完敗です。
現在は、"svp/stp = s'il vous (te) plait"= お願いします。と、"merci"=ありがとう。を言う癖を付ける練習をしているようで、「蓋を開けて〜stp!」、「ナゲットを細かく切って〜stp!」、「ケチャップ取って〜stp!」と時々忘れつつも言っていて、大切なものを見させてもらったな〜と感じました。
2人とも聞き分けの良い子達で、たまにスイッチが入ると言う事を聞かなくなるのですが、話もよく聞いていて、不可能な事は頭できちんと理解するのです。
例えば、急な予定変更はフランスではよくある事なのですが(笑)、大人の都合で子供の予定をチェンジしなければならない時があるかと思います。
今回あったのは、
ストックしてある食料が傷んでしまい、もう無くなりそうだということで、
午前中にプールに行く予定が、スーパーへ買い出しに行くこととなりました。
昨夜からプールを楽しみにしていた彼女達にとっては、朝一の衝撃的な報告となりましたが、①なぜ変更しなければならないのか ②午後ならばプールに行けるという2点を端的に、分かりやすく冷静に話したところ、すんなりと受け入れたのです。
フランスでの教育を見ていると、そしてフランス育ちの人間に話を聞くと、
その行為はしちゃダメだ!ではなく、なぜそうすることがダメなのかという事を教えているように感じます。
日本では、最近は教育が見直されつつあり、注意の仕方もただ怒るのではなく、フランスのようなこうした考え方を推奨し実践されている方も多く見受けられます。一方で、それは分かっていても、いざその場面になるとつい怒ってしまうという意見も耳にします。
私は、海外で暮らしてから何度か幼児の子守を経験させてもらっています。それを経て、
子育てって想像以上に体力と精神力が必要なのだとたった数時間、数回の事で感じました。
そこで、今回の点に関して、なぜ、フランスでは子どもの行動に腹を立てずに冷静に話を聞けるのか?説明する事ができるのか?という要因に、大人の余裕さが関係しているのではと感じました。
フランスの大人達は日本人よりも子供との距離感をよい意味で持っています。
夜中に泣いても、すぐに駆け付けず泣き止むかどうか数分待ってみたり、子供だからと言ってオブラートに包まずに現実を教えたり、子供が大多数と違った意見を持っても、それがその子の意見だと尊重し無理に他人と一緒にさせようとはしないなど、子供にべったりしすぎたりヘタに甘やかしすぎたりしていません。
冷たいように感じるかもしれませんが、決して愛情が欠けているわけではなく、親だからとキャパを必要以上に越える事はしないのです。また、離婚しても、どちらか一方が何年も面倒を見続けるのではなく子供が家を行き来して一緒に育てています。機能不全家族よりもよっぽど、ストレスが軽減された環境で皆が生活できるのではないかと思います。こうした、大人側の負担が日本よりも少ない為、子育ての中で教育に目を向ける事ができるのだろう考えます。
後は外的要因として、文化的に小さい頃からベビーシッターに預けられたり、街中でホームレス(SDF)を見ていたり、様々な人種に囲まれて育ってきているから、子供達が親に甘えすぎず現実を受け入れるのも早いのかなと感じます。
つまり、何がいいか悪いかは人によって変わってきますが、個人的には今回のホストファミリーから孫達への指導を見ていて、小さい子でも分かるように話をする事が、子供達が自分の身を自分で守ること、そして自尊心を傷つけずに成長していくことに繫がるのだろうと考えさせられたというわけです。
余談ですが、
お孫ちゃんがきゅうりを食べた時に、「ce n'est pas bon. 」と言っていて、
ホストマザーが「そういう時は、Je n'aime pas. というのよ。」と教えておりました。
フランス語を3年と勉強していても、"苦手"という言葉の代わりに "Je n'aime pas."というのは毎回気が引けるな〜と感じていたのですが、この会話を聞いていたら、"Je n'aime pas."も単に"嫌い"とだけを伝えているわけでもなく、大して失礼でもないのかなと感じました。
ということで、ホストファミリーとの思い出を振り返ったら教育学や子供達との賑やかなエピソードを思い出してしまったので長文をつらつらと書いてしまいました。
ということで、また続きます。
馬乗体験や山の中を散策したり田舎の農道をドライブしたり、パリから1時間西に行くとこんなに長閑な景色が待っているのだと感じる場所でした。
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